外壁塗装の塗料は大きく6種類に分類され、それぞれ耐久性・低汚染性・価格・意匠性が異なります。さらに同じ「シリコン」「無機」でもメーカーや処方で性能は変わります。藤原ペイントでは、1日1工程・翌日乾燥を徹底し、手触り判断ではなく規定乾燥を守ったうえで膜厚(塗布量)を確保。下地の吸い込みや動きに応じて下塗り回数や弾性・防藻防カビなどの機能を組み合わせ、地域環境に即した最適仕様をご提案します。
まず結論:おすすめは「ラジカル系」と「無機系」
総合バランスを狙うならラジカル制御型、メンテ回数の抑制と美観長持ちを重視するなら無機系が有力です。沿岸風・強い日射・幹線道路沿いなど外装汚れが付きやすい住環境ほど、低汚染機能の差がはっきり出ます。

耐久とコストの目安(一般的な相場感)
種類 | 耐久目安 | 価格帯 | 特長 |
---|---|---|---|
アクリル | 7〜8年 | 廉価 | 初期費用が安く発色も良いが、紫外線に弱く耐久は短め。短期的な補修や意匠優先の用途向け。 |
ウレタン | 8〜10年 | 廉価 | 艶が良く金属や木部など付帯部に多用される。外壁全面の長期保護にはやや非力だが部分使いに適す。 |
シリコン | 10〜12年 | 中級 | 価格・耐久・美観のバランスに優れ、標準的に選ばれる定番。現在はラジカルへの置き換えが進行中。 |
ラジカル | 12〜15年 | 中級 | 日本ペイント開発。紫外線劣化因子を抑制し、低汚染性と色持ちに優れる。幹線道路沿いでも美観維持しやすい。 |
フッ素 | 15〜18年 | 高級 | 高耐久で公共施設にも採用。初期費用は高いが、メンテナンス周期を延ばしたい場合に有効。 |
無機 | 18〜23年 | 高級 | 日本ペイントの改良型は樹脂とハイブリッドで柔軟性を持ち割れにくい。超低汚染で白・淡色も長期に美観維持。 |
※実際の耐久年数は、外壁材の種類・下地の状態・日当たり・塩害や粉塵の有無・施工の丁寧さで変わります。藤原ペイントでは膜厚管理と1日1工程→翌日乾燥で、各塗料の性能を最大限に発揮させます。
6種類の塗料をくわしく
アクリル系塗料

以前は主流でしたが、現在は耐候性の面で上位グレードへ移行しています。売却前の美観回復や、付帯部の一時的な補修など短期目的には有効。長期維持や再塗装サイクル最適化を目指すなら、ラジカルや無機への切り替えが合理的です。
ウレタン系塗料

密着と艶に優れ、木部・鉄部など付帯部に使い勝手の良い樹脂です。ただし外壁全体の長期保護にはやや非力。予算を抑えたい部分塗装や、意匠上の艶感を狙うポイント使いに適しています。
シリコン系塗料

コスト・耐久・意匠のバランスに優れ、今でも選ばれる定番。とはいえ、同価格帯で低汚染性と耐候を強化したラジカル制御型が登場して以降、メインはラジカルに移っています。将来のメンテ計画や立地環境を踏まえて選定します。
ラジカル制御型ハイブリッド塗料(日本ペイント技術)

ラジカルとは紫外線で生じる劣化因子。日本ペイントが先駆けて実用化した「ラジカル制御」は、特殊酸化チタンのラジカルバリアと光安定剤で劣化進行を抑制します。シリコン並みの価格で12〜15年を狙えるうえ、表面平滑化と親水制御で雨筋汚れがつきにくいのが特長。沿岸風や粉じん、幹線道路沿いの黒ずみ対策にも有効です。藤原ペイントは塗布量の見える化(色替え)を併用し、回数・膜厚を確実に積み上げます。
フッ素樹脂塗料

大型施設でも採用される高耐久グレード。初期費用は高いものの、外装汚れや紫外線負荷が強い立地でメンテ回数を減らしたい場合に有効です。無機との比較では低汚染性で劣るため、長期の美観維持を優先するなら次項の無機が第一候補です。
無機系ハイブリッド塗料(“割れにくい”改良型)

ガラス質の無機骨格は紫外線に極めて強く、実耐久18〜23年を狙える長寿命グレード。従来の弱点だった「硬さ」を、日本ペイントのハイブリッド化で柔軟性を付与し割れにくい無機へ改良。サイディングの伸縮やモルタルの微細な動きにも追従しやすくなりました。親水性の超低汚染により雨で汚れが流れ、白・淡色でも美観が長く続きます。将来の塗替え回数を1回分減らせる可能性があり、ライフサイクルコストで優位です。
外壁材の種類と“相性”で選ぶ
塗料選びは外壁材の種類と状態を把握することから始まります。劣化度・含水・可動(伸縮)・既存塗膜の種類を調べ、下塗り材の選択(エポキシ/弾性/浸透強化)と仕上げ樹脂の相性を設計。ここでは代表的な外壁材と向いている仕様例をプロ視点で解説します。
窯業系サイディング
現在の戸建てで最も普及。ボードの継ぎ目(目地)とサッシ周りのシーリングが要所で、オートンイクシードのような長期対応材での打ち替えが基本です。塗料はラジカルまたは無機が第一候補。凹凸の深いデザインは汚れが溜まりやすいため、低汚染グレードの効果が体感しやすく、外観のキープ力に差が出ます。チョーキングが強い場合は下塗り2回で吸い込みを止めます。
モルタル
クラック(ひび)対策が鍵。ヘアクラックはフィラーで埋め、構造的な割れはUカット+弾性シーリングなど補修の上、弾性系下塗り+ラジカル/無機の仕上げで追従性を確保します。通気や日射条件で藻・カビが生じやすい面は、防藻防カビグレードを選定すると効果的です。
ALC(パワーボード)
多孔質で含水の影響を受けやすいため、浸透性シーラーでの含浸強化が前提。目地や開口部のシーリングも長期型で更新します。仕上げは無機またはフッ素が安定。雨だれ・粉じんの美観劣化が気になる場合は無機の超低汚染が有利です。
金属サイディング・トタン
錆の進行度合いで工程が変わります。赤錆はケレン後に防錆下塗り、白錆は弱溶剤系の密着プライマーなどを選定。熱変形を考慮して遮熱無機やフッ素を採用すると夏場の熱だまりが軽減され、塗膜の劣化抑制にもつながります。
よくある質問(Q&A)
- Q1. シリコンとラジカル、迷ったらどちら?
- A. 同価格帯ならラジカルが有利。色持ち・低汚染・耐候の点でメリットが大きく、初めての塗替えでも扱いやすい選択です。
- Q2. 無機は“硬くて割れやすい”と聞きましたが?
- A. 従来はその課題がありましたが、日本ペイントの改良型ハイブリッドは柔軟性を付与し、サイディングの動きにも追従しやすくなっています。
- Q3. どの塗料でも長持ちさせるコツは?
- A. 下地処理・乾燥時間・膜厚管理が最重要。藤原ペイントは1日1工程→翌日完全乾燥を守り、手触り確認での性急な重ね塗りは行いません。
- Q4. 立地によっておすすめは変わる?
- A. 沿岸風・幹線道路沿い・西日が強い面など負荷の高い条件では、低汚染のラジカル/無機が美観維持で差を生みます。
この記事のまとめ
- 総合バランスはラジカル、長期重視なら無機(改良型)が本命
- 外壁材との相性と下地状態を診断し、下塗り・仕上げを設計する
- 工程は1日1工程・翌日乾燥で確実に。膜厚と塗布量の管理が耐久の鍵
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